ウォームギアを使わない伝導方式の試み



一般にHOスケール程度の大きさの蒸気機関車ではモータから、車輪に回転を伝えるのにウォームギアを使用するのが一般的です。
その理由は、

  1. 一段で大きな減速比が得られる。
  2. 上記の事から、ギアのスペースが小さくて済む。

ということだと思われます。しかし、欠点もあって、

  1. 伝達効率が悪い。ウォームギアの宿命で、ギアでのロスが大きい。
  2. 動輪を外から回せない。
  3. 普通のギアボックスを使うと、実物では空間となっている部分に遮蔽物が存在し、見苦しい。

のような事があります。最初の2点については、コースティングギアと呼ばれるものを使えば解決します。

しかし、ギアボックスが大きく、空間をさえぎり、見た目はあまり良いとは言えません。
そこで、今回は、これらの問題を全部解決できないかということで、試みてみました。

今回は以下のように伝導するようにしています。

伝導1

  1. ギアヘッドを使いモータの回転数を落とす。
  2. 平ギアで下に回転を伝える。
  3. ドライブシャフトを使い、動輪のギアに回転を伝える。
  4. MPギアに使われているヘリカルギアで回転方向を90°曲げ、動輪に伝える。

平ギアの伝導ヘリカルギアの伝導伝導機構

写真を見ればわかるように、ギアヘッドが結構大きく、ウェイトを入れるスペースの減少が気になります。
しかし、一般のギアボックスもかなりスペースをとりますし、モータやギアボックスの周囲は動輪の上下動を許すため、少し開けておく必要がありますが、今回の方式では、モータはボイラー側に固定できるので、モータの周囲もウェイトを一杯に詰め込む事ができます。
ただ、今回使用したギアヘッドの回転が重く、コースティングギアの様に軽く動輪が回転しないのが問題です。


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森井 義博 (morii yoshihiro)
mory@morii.jp